急性期ケア専門士の出題基準は?出題分野と対策のコツを解説

目次

急性期ケア専門士の勉強を始めようと思っても、
「何問中何問がどの分野から出るの?」 「まず何から手をつければいいの?」
と、出題内容がイメージできずに戸惑う方も多いのではないでしょうか?

試験対策を効率よく進めるには、まず全体像を正しく把握することが大切です。
本記事では、試験の出題構成から各問題種別の内容・対策のポイントまで、まとめて解説します。
受験勉強のスタートマップとして、ぜひ参考にしてみてください。

1. 急性期ケア専門士の試験構成をまず押さえよう

まずは試験の基本情報から整理しましょう。

項目 内容
問題数 90問
試験時間 90分
解答形式 5択(五肢択一)

出題分野の配分は以下のとおりです。

種別 問題数 出題章
一般問題 10問 1・4・5・8・9章
専門問題 65問 2・3・6・7章
事例問題 10問
時事問題 5問
合計 90問

一般問題と専門問題は、順不同で出題されると予想されます。

2.【一般問題・10問】出題される章と対策ポイント

一般問題の出題基準に関して、日本急性期ケア協会HPでは、以下のように公表しています。

『公式テキスト「01,04,05,08,09」より、急性期ケアの制度や概念に関する基本的な知識を問います』

一般問題は全10問と、問題数こそ少ないですが、急性期ケアの「土台となる考え方」が問われる章です。
「01,04,05,08,09」がそれぞれどのような章か、対策ポイントと併せて解説します。

・1章:救急医療に関する定義と概念

・4章:意思決定のコミュニケーション

・5章:急性期医療における家族支援

・8章:急性期に求められるリーダーシップ

・9章:急性期医療に求められるもの

1章:救急医療に関する定義と概念

救急医療体制の歴史や仕組み、小児や周産期など各領域の救急体制、救急救命士の可能な業務範囲など、救急医療に関する基礎的な知識が問われると予想されます。

4章:意思決定のコミュニケーション

意思決定のスタイルの変遷、ケアのゴールの話し合い、急性期病院での看護師の意思決定における役割などを扱う章です。急性期は意思決定支援に携わる機会が多い分野ですが、ACPのプロセスやコミュニケーションスキルはいざ体系的に問われると意外と曖昧になりがちです。テキストや問題集で改めてチェックしておきましょう。

5章:急性期医療における家族支援

家族の定義と捉え方、家族支援の課題、家族システムやアセスメントについて問う問題が出題されると予想されます。そのため、扱われている用語や考え方を一つひとつ丁寧に押さえておくことが大切です。

8章:急性期に求められるリーダーシップ

リーダーシップの理論やアサーティブコミュニケーションについて扱われている章です。臨床現場で触れる機会があるテーマがある一方、理論やリーダシップスタイルそのものは学ぶ機会が少ないため、テキストで基本的な考え方をインプットしておきましょう。

9章:急性期医療に求められるもの

急性期医療が抱える今後の課題や、CSCATTTの基礎知識、チーム医療の重要性を扱う章です。CSCATTTの各項目、急性期医療や医療者教育が抱える問題点や解決策について問われると予想されます。そのため、テキストを読み込みつつ現場での経験と結びつけて理解を深めていきましょう。

一般問題の対策ポイントまとめ!

一般問題では、引っかけなどの捻った問いはないと予想されるため、制度や概念を知識としてしっかり持っていれば確実に得点できる範囲です。

ただ、問題数は10問と少ない一方で、テキストの内容を全て暗記するのは大変です。定義・概念の知識があり、暗記が得意な人は確実に得点したい10問と言えますが、苦手な人は予想過去問集や模擬試験を活用しながら要点を押さえて得点を目指すのもよいでしょう。

一般問題は学ぶ機会が少ない割に、日頃の臨床業務において知っておいて損はないとても大切な知識です。学生時代とは違い、臨床経験を積んだ今であれば、案外すんなり覚えることができるかもしれません。ぜひテキスト読んで学習を進めましょう。

3. 【専門問題・65問】出題される章と対策ポイント

専門問題の出題基準に関して、日本急性期ケア協会HPでは、以下のように公表しています。

『公式テキスト「02,03,06,07」より、急性期における観察・判断・対応等の専門的な知識を問います』

専門問題は全65問です。試験全体(90問)の約7割を占める、まさに試験の核心部分です。公式テキストの2・3・6・7章から出題され、臨床での実践的な知識が幅広く問われます。

・2章:急変発見時の初期対応

・3章:症状別アセスメント

・6章:急性期⇔慢性期をつなぐ医療支援

・7章:災害時の救急医療

2章:急変発見時の初期対応

急変を発見したときにとるべき対応の流れを扱う章で、質の高い心肺蘇生(CPR)、小児・乳児に対する一次救命処置(BLS)、窒息の解除、二次救命処置(ACLS)、在宅・施設での心停止・意識障害の対応などが範囲に含まれます。

CPRやBLSの手順、初期対応のフローは、臨床経験での感覚ではなく、正確な手順・数字として言語化して押さえておきましょう。

3章:症状別アセスメント

急性期の現場でよく遭遇する症状ごとに、アセスメントの考え方を扱う章です。範囲が広く、専門問題の中でも特にボリュームがある章で、出題範囲には以下の症状が含まれます。

・意識障害
・呼吸困難
・胸痛
・吐血
・腹痛
・腰背部痛
・頭痛
・失神・痙攣
・めまい
・麻痺
・発熱

症状から疑われる疾患名、各疾患の特徴や評価方法などを問う問題が出題されると予想されるため、症状と疾患をセットで覚えるだけでなく、それぞれの評価スケールや観察ポイントまで押さえておくことが対策ポイントです。

6章:急性期⇔慢性期をつなぐ医療支援

急性期から慢性期への移行、または慢性疾患の急性増悪という場面での医療支援を扱う章です。慢性疾患を持つ患者への対応・認知症ケア・精神疾患を持つ患者への支援なども含まれます。特に認知症の臨床症状やBPSDへのケアについては重要のため、優先的に押さえておきたいポイントです。

7章:災害時の救急医療

災害発生時の救急医療のあり方を扱う章です。救急医療と災害医療の違いや、地震災害時・豪雨災害時の対応、避難所の定義などが問われると予想されるため、災害の種類ごとに求められる対応の違いを整理しながら学習を進めましょう。

専門問題の対策ポイントまとめ!

試験の得点源となるエリアです。専門問題の共通点は、確実な医療知識が試されるという点です。

ABCDEアプローチやJCSなどの評価指標や対応フローの知識、疾患に対する症状の知識、症状の機序など、急性期領域や急変場面で必須となる医療的知識が問われると予想されます。

学習を進める上では公式テキストが軸になりますが、覚えた知識をそのまま臨床現場で試しながら復習することも、専門問題の対策としてはおすすめな方法です。

4. 【事例問題・10問】どんな問題が出る?対策ポイント

事例問題の出題基準に関して、日本急性期ケア協会HPでは、以下のように公表しています。

『個別の知識のみではなく、実際の臨床場面を想定し、得られた情報を踏まえて適切に判断するための知識・考え方を問います』

事例問題は全10問です。具体的な患者の状況や場面が提示され、それに対してどう判断・対応するかを問う形式です。

特に、2章「急変発見時の初期対応」、3章「症状別アセスメント」で学んだ知識を応用した問題が多く出題されると予想されます。単に知識を暗記するだけでなく、「この症状が出ているときはどう動くか」を場面ごとにイメージしながら学習しておくと、事例問題への対応力が身につきます。

問題文が長くなることも多いため、限られた時間の中でポイントを素早く読み取る練習も大切です。

5. 【時事問題・5問】どんな問題が出る?対策ポイント

時事問題の出題基準に関して、日本急性期ケア協会HPでは、以下のように公表しています。

『本試験では、公式テキストに記載された内容の習得に加え、急性期ケアに関する最新の動向や、その時々に医療従事者として理解を深めておくべき事項を学び、受験後の実践にもつなげていただくことを目的として、時事問題を出題します。

時事問題については、2026年から2027年にかけて生じた社会的・医療的なトピックスや動向を踏まえ、急性期ケアに携わる医療従事者として理解しておくことが望ましい事項を出題範囲とします。』

上記のように、時事問題では2026~2027年にかけて急性期ケア領域でトレンドとなったトピックスが扱われます。出題数は5問と多くありませんが、日頃から急性期ケアに関わる社会的・医療的な動向に関心を持ち、ニュースなどを通して情報を確認する習慣をつけておくことが重要です。

6.時間配分のコツ

90問を90分で解くため、1問あたり約1分のペースが目安になり、各問題の特性を理解したうえで、時間配分を意識しながら解き進めることも重要になってきます。

一般問題は、制度や定義など、知識があれば比較的答えを判断しやすい問題もあると考えられます。こうした問題はできるだけテンポよく解き進め、その分、問題文を読み込んで状況を整理する必要がある事例問題や、知識を思い出しながら考える時事問題に時間を残しておけると理想的です。

また、一般問題と専門問題は順不同で出題されることが予測されます。そのため、問題に応じて思考を切り替えながら解き進めることが重要です。迷う問題があった場合は、そこで立ち止まりすぎず一度保留して先に進み、残り時間を見ながら最後に見直すなど、試験全体のペースを意識して対応しましょう。

7. まとめ

急性期ケア専門士の試験は、一般問題・専門問題・事例問題・時事問題という4つの種別で構成されています。
一般問題では急性期ケアの土台となる定義や概念、専門問題では急変対応やアセスメントなど臨床に直結する知識、事例問題では実際の場面でどう活かすかが問われます。

まずは全体像をつかみ、得意分野・苦手分野を見極めながら、計画的に学習を進めていきましょう。

 

各問題種別の詳しい勉強法については、今後「一般問題編」「専門問題編」「事例問題編」として別記事で解説予定ですので、あわせて読んでみてくださいね。

 

参考

1)アステッキホールディングス株式会社(編).急性期ケア専門士 公式テキスト(改訂2版).アステッキホールディングス株式会社.

2)アステッキホールディングス株式会社(編).急性期ケア専門士 模擬試験 2026年度 第1回試験.アステッキホールディングス株式会社.

3)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).急性期ケア専門士認定試験とは.

4)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).受験要項.

 

認定試験の詳細は日本急性期ケア協会のHPをご覧ください。

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