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急性期ケアの現場は判断の連続で、
「急変対応に自信がない」「アセスメントに苦手意識がある」
と悩む方も多いのではないでしょうか?
そんな不安を克服し、現場での実践力を高めたい方におすすめなのが「急性期ケア専門士」です。
本記事では、試験概要や受験資格から勉強法、取得するメリットまで分かりやすく解説します。急変対応に不安を感じている方や、スキルアップのきっかけを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 急性期ケア専門士ってどんな資格?
急性期ケア専門士は、一般社団法人日本急性期ケア協会(JACA)が認定する民間資格です。急変時の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告までを実践できる力を身につけることを目的としています。
もともとは、救急の現場で得られたノウハウを、救急以外の一般病棟や訪問看護、施設など幅広い領域にも届けたいという思いから生まれた資格です。超高齢化と人手不足が進む中、急変は経験や得意・不得意に関係なく、どの現場にも起こり得るものですが、急変対応への苦手意識を持つ医療・介護職は少なくありません。だからこそ職種や領域を越えて、命のバトンをつないでいきたいという想いがこの資格の出発点です。
参照:日本急性期ケア協会について https://www.jaca2021.or.jp/about/
2. 受験資格と受験者層は?
「自分の職種、経験年数でも受けられるの?」という疑問は、受験を検討し始めた方がまず気になるポイントかと思います。この章では、以下の2点を紹介します。
・受験資格は?
・実際の受験者層は?
受験資格は?
受験するには、以下の職種の資格を持ち、取得後2年以上の実務経験があることが条件です。

実際の受験者層は?
ここでは、協会公式サイトの集計データから、実際の受験者層を紹介します。
資格
公式サイトによると、これまでの合格者10,845名の職種割合は、看護師82.84%、リハビリ職9.15%、その他コメディカル職5.75%、介護系職種1.96%、医師0.30%となっています。
看護師が中心である一方、理学療法士や作業療法士などのリハビリ職、臨床検査技師や臨床工学技士などのコメディカル職、介護福祉士やケアマネジャーといった介護系職種、さらには医師まで、実にさまざまな資格を持つ方が合格していることがわかります。
年齢
年齢別に見ても、20代2,909名、30代3,637名、40代3,005名、50代以上1,316名と、特定の年代に偏ることなく幅広い層が受験しています。「看護師じゃないと厳しいのでは」「若手向けの資格なのでは」といったイメージを持たれがちですが、実際には資格や年齢を問わず、多くの方が挑戦し、合格している資格です。
領域
急性期ケア専門士は、急性期病棟や救命救急センターに勤務する人だけの資格ではありません。勤務先が急性期の専門施設である必要はなく、一般病院や施設、在宅の現場で働いている方も対象です。雇用形態も常勤・非常勤どちらでも構いません。
実際に、合格者の声を見ると、ICUで働く看護師、訪問リハビリ勤務の理学療法士、救急搬送の現場に立つ救急救命士、処置室やカテーテル室で働く臨床検査技師など、さまざまな現場で急性期ケア専門士のスキルが活かされていることがわかります。「急性期にいないと関係ない」というイメージを持たれがちですが、状態変化への気づきや初期対応の力は、現場や職種が変わっても生涯にわたって役立つスキルです。
参照:データで見る急性期ケア専門士&合格者の声 https://www.jaca2021.or.jp/pass-status/
3. 急性期ケア専門士の試験概要
試験日程と出題形式
受験申込期間:2026年8月28日(金)〜2027年4月20日(火)
試験実施日:2027年5月7日(金)〜2027年5月23日(日)
結果通知:2027年6月
出題数:90問 試験時間 90分
出題形式:5択(五肢択一)
※定員に達し次第、申し込みを終了する場合があります。最新の日程は公式サイトでご確認ください。
受験の流れ
申し込みは日本急性期ケア協会公式サイトから申し込み可能です。
2026年8月28日(金)〜2027年4月20日(火)の期間に試験申し込み後、受験資格があるかを確認する受験該当審査を受けます。
審査が通れば試験会場の予約をし、いよいよ2027年5月7日(金)〜2027年5月23日(日)に試験会場でCBT試験を受けることができます。
合否結果は、2027年6月に登録住所へ郵送されます。公式サイトでは公表されませんので注意が必要です。
合格された方は認定登録を行い、正式に急性期ケア専門士として認定を受けることができます。
また、急性期ケア専門士の資格更新は、資格更新・学習コンテンツアプリ「ココシンク」にて行うため登録が必要です。
詳しくは後述する「6. 急性期ケア専門士の更新制度とは?」をご参照ください。

参照:急性期ケア専門士の受験要項 https://www.jaca2021.or.jp/exam/
試験会場
試験はCBT方式(パソコンでの受験)で実施されます。全国260か所以上のテストセンターで受けられるため、地方在住の方でも比較的アクセスしやすいのが特徴です。
操作はマウスで選択肢をクリックするだけなので、パソコンが得意でなくても心配ありません。
出題範囲
急性期ケア専門士の出題範囲は、急性期ケア協会公式テキスト(改訂第2版)に準拠した出題です。公式テキストの1章から9章までの各章項目に沿って出題されるほか、実際の臨床場面を想定した事例問題も含まれます。
・公式テキストカリキュラム
1.救急医療に関する定義と概念
2.急変発見時の初期対応
3.症状別アセスメント
4.意思決定のコミュニケーション
5.急性期医療における家族支援
6.急性期⇔慢性期をつなぐ医療支援
7.災害時の救急医療
8.急性期に求められるリーダーシップ
9.急性期医療に求められるもの
4. 急性期ケア専門士の難易度と合格率は?
急性期ケア専門士の合格率は、日本急性期ケア協会公式サイトによると以下のとおりです。

合格率は66〜70%台で推移しており、毎回4,000名前後が合格しています。
三学会合同呼吸療法認定士(2025年/令和7年)の合格率(%):69.4(受験者数:3,423 / 合格者数:2,375)と比較すると、合格率は同水準と言えるでしょう。ただ、三学会合同呼吸療法認定士が医療系5つの職種を対象にしているのに対し、急性期ケア専門士は医療・介護合わせて14職種が受験する試験です。また受験条件も異なるため、難易度までは一緒とは言えないでしょう。
学習時間から見る難易度
弊社が教材購入者へ実施した学習時間の調査では、試験勉強を始めた時期については、「1〜3か月前」が34.3%で最も多く、次いで「3か月〜半年前」が33.3%、「1か月以内」が21.3%となりました。
学習時間も、職種や経験により違いがありそうです。
看護師を始めとした医療職にとっては、復習も兼ねて学ぶことができる一方、介護福祉士やケアマネジャーなど医療行為に直接携わらない職種にとっては、初めて得る知識も多く学習時間を確保する必要があるかもしれません。
5. 合格のための勉強方法・学習スケジュールと、教材選びについて
ここからは、勉強方法・学習スケジュールと、教材選びについて解説します。
勉強方法と合格スケジュールについて
前述したように、学習時間は職種や経験により異なります。ただ、全体の約9割の方が試験の半年前以降に勉強を開始しており、特に2か月前頃から本格的に取り組む方が多い傾向がみられました。
この章では、合格に向けた学習スケジュールの例をご紹介いたします。2か月前から学習に取り組む「学習時間2か月プラン」と、6か月前から学習に取り組む「学習時間6か月プラン」を分けてご紹介いたします。是非参考にしてみてください。
学習時間2ヶ月プラン
短期集中でやりたい方や、医療職として現場経験が豊富なので、ポイントを絞って効率よく仕上げたいという人向けの学習プランです。

学習時間6か月プラン
無理なくゆっくり学習したい人や、介護職などで急性期分野の知識があまりない方に向けた学習時間6か月のプランです。

事例問題は実際の臨床場面を想定した内容が多く、現場経験が長い方ほど状況をイメージしやすく、得点につながりやすい傾向があります。一方で、意思決定のコミュニケーションや家族支援、リーダーシップといった分野は、経験だけでなく用語や考え方を正しく覚えているかも問われるため、経験年数に関わらずしっかりとした対策が必要です。
「自分の職種・経験がどこで強みになり、どこで補強が必要か」によって変わります。自分にとって不安な分野を早めに把握しておくことが、効率よく対策を進めるポイントです。
教材選びについて
試験対策で使える教材は、大きく分けて公式テキスト・問題集・アプリ(ケアまるPro)・模擬試験・WEB講習会の5つです。
公式テキスト(第2版)
出題範囲の基本となる一冊で、症状別の初期対応やアセスメントの流れを体系的に学べます。
問題集(受験必修再現過去問集)
実際の試験に近い形式で繰り返し演習でき、知識の定着と本番への慣れを同時に進められます。
試験対策アプリ(ケアまるPro)
スキマ時間に一問一答形式で学習できるため、忙しい医療・介護職でも継続しやすいのが特徴です。
模擬試験
本試験と同じ形式で受験できる模擬試験です。受験後は個人別成績表と解説集が送られてくるため、今の実力を客観的に把握したうえで、苦手分野の対策に活かせます。
WEB講習会
動画形式で講義を受けられるため、テキストだけでは理解しにくい部分を補うのに役立ちます。
6. 急性期ケア専門士の更新制度とは?
急性期ケア専門士の資格は、取得後5年ごとに更新が必要です。更新の仕組みの中心となるのが、資格更新システム「ココシンク」です。ココシンクに加入すると、動画講義の視聴や対象イベントへの参加を通じて更新単位を取得できます。
5年間で60単位を取得することで、更新手続きが完了します。また、ココシンク加入者は資格更新費用が原則免除となるため、継続して利用するメリットは大きいと言えるでしょう。資格取得後も学び続けられる環境が整っている点は、この資格の魅力のひとつです。
参照:急性期ケア専門士 資格更新について https://www.jaca2021.or.jp/cocolink/
7. 急性期ケア専門士を受験する4つのメリット
公式サイトでは、この資格を取ることで得られるメリットとして以下の4つのポイントが紹介されています。
参照:急性期ケア専門士とは https://www.jaca2021.or.jp/license/
・急変対応への自信がつく
・病院以外の現場でも活かせる
・急性期ケアに対する苦手意識を克服できる
・資格取得後も学び続けられる環境がある
急変対応への自信がつく
「焦ってパニックになってしまう」「どう動けばいいか判断できない」など、急変対応への苦手意識は経験年数に関係なく多くの方が抱えています。急性期ケア専門士の学習を通じて、急性期のプロの思考や対応のコツを体系的に習得することで、いざというときに落ち着いて動ける力が身につきます。
病院以外の現場でも活かせる
在宅ケアや施設の現場では、看護師が不在だったり医療器材が十分でなかったりする場面も珍しくありません。そうした環境でも「その場でできる最善の対応」を判断し、搬送先へしっかり引き継げる実践力を養います。病院勤務に限らず、地域で働くすべての医療・介護職に役立つ内容です。
急性期ケアに対する苦手意識を克服できる
急変対応の苦手意識は、異変への気づきや報告への迷いが複雑に絡み合って生まれます。本資格では症状別の観察から初動までの流れを整理して学ぶため、知識と実践を結びつけることが可能です。迷いを減らすことで、不安を確かな自信へと変えられます。
資格取得後も学び続けられる環境がある
合格・認定登録後は、資格更新システム「ココシンク」を通じて、講義動画を視聴しながら更新単位を取得できます。用意されているコンテンツは2種類あります。
オンラインセミナー
医師をはじめとしたプロが「急変になる前から何に気づき、どう予測し、どう判断するのか」を、受講者との質疑応答を交えながら解説するオンラインセミナーです。全国から集まった講師陣による実践的な内容で、まさに現場のプロの頭の中をのぞくような感覚で学べます。
講義動画
急性期ケアに関する専門知識を体系的にインプットできる講義動画です。急変対応、心電図、心肺停止・ACP、意識レベル、災害医療、患者対応など、テーマは多岐にわたり、独学では理解しづらい内容も現場目線でしっかり学べます。場所を選ばず、スキマ時間に視聴できるのも続けやすいポイントです。
資格を取って終わりではなく、こうしたコンテンツを通じて「学び続けられる場」が用意されていることは、この資格ならではの魅力のひとつといえるでしょう。5年ごとの更新制度も、知識をアップデートし続けるきっかけとして活用できます。
参照:動画コンテンツ https://www.jaca2021.or.jp/videos/
8. 急性期ケア専門士の活かし方は?
ここでは、公式サイトの「合格者の声 https://www.jaca2021.or.jp/pass-status/」をもとに合格者に共通する活かし方を3つにまとめてご紹介します。
・異変・急変の予兆にいち早く気づけるようになる
・根拠を持って報告できるようになる
・専門外・他疾患にも対応できる視野が広がる
異変・急変の予兆にいち早く気づけるようになる
・20代 女性 看護師 循環器病棟勤務
”バイタルが崩れる前兆に、ちょっと怪しいなとアンテナを張ることができるようになってきました”
・30代 男性 理学療法士 急性期病棟勤務
”リハビリ中の早い段階で異変を察知できるようになった”
上記のように、予兆をキャッチする力が上がったという声が共通してみられています。違和感の理由を明確にし、根拠を持って次のアクションへ繋げられるようになる点が、本資格を取得する大きな魅力です。
根拠を持って報告できるようになる
・30代 男性 看護師 ICU勤務
”以前は、とりあえず先生に報告するという感覚だった部分もありましたが、今は「考えられる鑑別はこれとこれ」と整理しながら報告できるようになりました”
・30代 男性 救急救命士 救急現場
”一番大きいのは引継ぎの質が変わることだと思います。「こういう評価をして、この結果でこの医療機関を選びました」と一言添えるだけで、(引継ぎの際に)ドクターや看護師の受け取り方が大きく変わると感じています”
上記のように、医師やチームへの報告・引き継ぎの質が上がったという声も共通して見られます。職種を問わず、急変時に必要な情報を整理して伝える力は現場で即戦力になるスキルです。
専門外・他疾患にも対応できる視野が広がる
・40代 女性 看護師 整形外科クリニック勤務
”(整形外科という)専門領域にいながら、他疾患を疑う視点を持てるようになったことが大きな変化です”
・30代 女性 医師 心臓外科勤務
”当直などで、専門外の患者さんが来たときでも、スムーズに対応できるようになりました”
上記のように、自分の専門領域以外の患者さんへの対応力が身についたという声もあります。看護師・理学療法士・医師・臨床検査技師など、職種を超えて共通して感じられる変化として挙げられています。
9. まとめ
急性期ケア専門士は、急変対応の知識を体系的に学び直したい医療・介護職の方にぴったりの資格です。「いざというとき、ちゃんと動ける自分になりたい」と思っているなら、まずは公式サイトで受験資格と最新の試験日程を確認してみましょう。試験内容や勉強法については別の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてくださいね。
参考
1)アステッキホールディングス株式会社(編).急性期ケア専門士 公式テキスト(改訂2版).アステッキホールディングス株式会社.
2)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).急性期ケア専門士とは.https://www.jaca2021.or.jp/license/
3)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).受験要項.https://www.jaca2021.or.jp/exam/
4)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).データで見る急性期ケア専門士 & 合格者の声.https://www.jaca2021.or.jp/pass-status/
5)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).資格更新について.https://www.jaca2021.or.jp/cocolink/
6)一般社団法人日本急性期ケア協会(編).動画コンテンツ.https://www.jaca2021.or.jp/videos/
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